ストレリチアの入手に当たって留意しなければならないことはいくつもありますが、順位を付けるとすれば、その第一は「葉姿」です。切り花栽培なら兎も角、鑑賞用では、いくら花がすぐれていても、姿が乱れていては失格です。人間でいえば「プロポーション』『スタイル』に当たります。
入手の際、どうしても選ぶべきは「直立型」です。株全体の葉柄が直立の集団になっていることです。これが、いかにもスッキリした印象を与えます。これには訳があるのです。ストレリチアは直射日光を好む、とはいえ、あまりに強すぎても困るのです。そこで真上から注ぐ日光を斜めに受けるよう、直立した姿をとるのです。
これが、弱い光線の環境に置かれると、光を十分に受けられるよう、葉や茎を開きます。
この状態が臨時の場合は、強光線の環境に戻せば直立の姿に帰ります。ただし、このような環境に何代も過ごすと、それが遺伝となってしまう場合もあります。こうなってしまうと環境を変えても変わりません。姿の良くないものを手に入れて、その結果を確かめるには、少なくても2～3年はかかるでしょう。こんな冒険をすることはありません。初めから姿の良いものを手に入れておけば何も問題はないのですから。もし、冒険をしたいのなら、もっと意味のあることですれば良いのです。
プロポーションの優れたストレリチアは見る人に安らぎを与えてくれます。たとえ、花の質が少々、落ちていても。