草型の小さい矮性種は、すでにあります。ここでいうのは、花、そのものが小さいことを指しています。レギーネを始めとする無茎種ストレリチアの花は、苞の長さ約15cmで、大きなアレンジメントにも十分に使えるので、重宝されています。しかし、 小品の作品に使おうとするには大きすぎるので、小さな花を探すのですが、なかなか、見つかりません。矮性種の花なら、適当な大きさなのですが、 花立ちが少なく、実用には耐えられないのです。草型はどうでも、花だけ小さく、数多く出してくれる品種の出現が望まれます。
大部分の花が曲線で構成され、丸みを帯びた優しい姿であるのに、ストレリチアは直線で形作られ、 鋭い印象を与えます。 ここに 10cm以下の小さな、可愛いいストレリチアが登場してくれば、この花の用途は大きく広がることでしょう。それは、この花の地位が一段、上がることも意味しています。
草型の大きな系統は、必然的に大きな花を付けますので、探しても無駄です。そこで、やや小柄で、花だけは小さい品種を作出することになるでしょう。花立ちがよくなければならないのは、いうまでもありません。ジャンセアの花は小さく、使い易いのですが、まだ数が少なく、 切り花に使えるほどはありません。また、私の所のパーヴィフォリア ゴールドプリンセスは、この要望に近いのですが、実は、もっと小さい花を望んでいるのです。交配、作出をめざすしかありません。