ストレリチア秘話No.134 ストレリチアの植え替え 「秘 伝」第2巻

 ストレリチアの植え替えで起きるショックの程度は種によって差があります。いちばん被害の大きいのはレギーネで、パービフォリアは、やや、ジャンセアに至って、は、ほんのわずかです。

 レギーネの葉は大きく、呼吸のための気孔の数も多いので、株分けで根を切られ、水が吸えなくなっても、葉からの蒸散が続きます。このために弱ってくるのです。パービフォリアは葉が小さいために蒸散が少なく、無葉のジャンセアでは、葉柄にある、わずかな気孔からだけとなります。

 つまり、ジャンセアは気孔が極く少なく、蒸散が抑えられているので、植え替えで根が切られて水が吸えなくても、大きな被害は受けないということなのです。ジャンセアは、いろいろと強健ですが、この植え替えにも強いことは有り難いことです。さすがに過酷な環境で生きてきただけに、あらゆる危難に対応できる態勢が出来ている、と感心させられます。生長が遅い、花を咲かせるのが容易ではない、などのマイナス面を差し引いても余りある長所を持っているのです。私が「究極のストレリチア」と呼ぶのは、この強健さに対してのことなのです