ストレリチア秘話No.1193 ストレリチア黄色種の「こぼれ話」

 昭和53年6月21日、第5回、南アフリカ訪問のときでした。イーストロンドンのクイーンズパーク園長、オデル氏の案内でポート アルフレッドへ向かいました。近くのバターハーストに住むミセス エリット自慢の[レギーネ黄色種]を見るためです。

 小さな邸宅の庭に堂々とした姿のストレリチア黄色種が植えられていました。苞の紅色はマンデラスゴールドほどではありませんが、すぐれた品種であることがわかりました。

「祖父が昔、自生地で発見して掘り上げてきたもので、私はケープタウンのキルスボッシュ植物園へ寄贈しようと思っているんです」

 と話すミセス エリットは、誇らしげでした。私は既に[ゴールドクレスト]の作出を始めていたので、分けて貰うことは止めました。日本への持ち込みが容易ではないからです。

 ここはイーストロンドンから西へ約120kmで、ポートエリザベスとの中間点でインド洋沿いの海岸地帯です。私が知る限り、レギーネ黄色種は5株あります。それにしてもレギーネの少ない自生量からみると驚く程、高い率です。これは単なる突然変異では無くて、相当に確率が高く、必然に近いと思われるほどです。それにしても、もう、原種からの変わり種の出現は底が尽きたと見ています。

 これは蛇足に、過ぎませんが、原種がどのような経過で掘り上げられてきたかの詳細が殆ど記録に残っていません。ストレリチアでは、私が知かぎり、この話が唯一つです。