ストレリチア秘話No.1203 栽培の基本はストレリチアの本質を知ること 「彼を知り 己を知れば 百戦 殆からず(孫子)」

 前章の続きです。[私たちはストレリチアに眩惑されているのではないか」と書きました。

 ストレリチアの自生地に初めて立ったとき、私は理解に苦しんだのです。私は照葉林帯の植生の中で生まれ、育ちましたから、その環境条件が体に染みこんでいる私には別世界なのでした。

 今にして思えば、照葉林の植物は孤立することなく、自分の分を守って、お互いが譲り合って生きています。雨が多いので根を余分に広げる必要が無いのです。ところが、ないないずくしの乾燥地帯では生きてゆくのがやっとですから、それぞれが自分を守るのが精一杯です。そんな環境で生きてきたストレリチアですから、空き地があれば、すぐ根を張り、早魃に耐えようと必死になるのです。これは、習い、性、となっていますから、雨の多い日本へやってきても直りません。私たちは、それを栽培上に生かすことを考えれば良いのです。

 地植えでは、日本は雨が多すぎるのですから乾かすことが仕事になってしまいます。鉢植えでは、雨の後は水やりを控えれば良いのです。このように、ストレリチアが何を望んでいるかを知ることが栽培の基本なのです。ただし、そこには日本人の身についた習性が邪魔になることがありますが。