毎年、3月に入るとサクラ前線の移動が話題になります。サクラの咲くのが年によって変動し、定まっていないからです。ストレリチアだって植物として気候の影響を受けているわけですから、毎年、同じ咲き方をするわけではありません 正確な調査をした結果ではないのですが、ストレリチアは夏の酷暑が続いた年は、開花が遅くなる傾向があるようです。生長の適温を遙かに超えた高温は、花芽の形成を抑え、遅らせるようなのです。この後の気温の影響もあるのでしょうが、一番は夏にあるようです。
私は、早咲きの株には開花日をラベルに記入するようにしていますが、翌年の結果を見ると、殆どが遅くなっています。中には1ヵ月以上遅れるのも珍しくありません。これは毎年のことですから、気候変動の影響を受けたのではなく、株の成熟によって生まれるホルモンの働きによるものでしょう。早く咲くのは若者に任せ、成年は、落ち着いた境遇に達する、といえなくもありません。
『年々歳々、花、相似たり』
これは外から見た花の姿であって、花の動きまでを言い表しているわけではありません。詩人は生物学者ではなかったから、ともいえます。
ストレリチアも毎年、同じ日に咲く、などということはありません。年によって様々、それが自然、というものでしょう。