ストレリチア秘話No.126 ジャンセアの生長過程はドラマチック

 ジャンセアが、その育つ過程でレギーネから進化した道筋を繰り返すことを前に述べましたが、今回は、それをくわしくみてみましょう。育種家とはご苦労様な存在でして、育ちの遅いストレリチアを飽きもしないで観察し続けるものなのです。そうこうしているうちに

「あっ」と驚くような場面に出会うこともあるのです。ジャンセアに、それがあったのです。

 ジャンセアの葉がレギーネとおなじ幅広さを持っていた幼い頃から始まって、12枚目辺りから本来のジャンセアらしい姿の葉になってくる。とは前にも述べましたが、この変化の仕方にそれぞれ個性があることを発見したのです。 

 葉の幅が徐々に狭くなって行き、最後には無いともいえるような姿になる。このような直線状態に進行するのが多いのですが、なかには、突然、のように変化を遂げるのもあって「まさか?」と驚かされることもあるのです。まさに『ドラマチックな衣替え』なのです。徐々に進行するタイプは変化が緩やかですから、いつになったら葉がなくなるのか?本当にそこまでゆくのか?と焦れったくなってしまうのもあるのに。

 ドラマチック派は、結構、葉が大きく、無くなりそうには思えないのに、突然、のように姿を変えるのです。とはいっても、いきなり、次の葉からでは無く、間にもう1枚は入ってからですが。こんなことが気になるのは、ジャンセアでは、パービフォリアや小葉系が多く、無葉系は思うほどの数が出てくれないからです。そこで、あてにしていなかったものから本物が出てきて驚くのです。ちなみに、この系統は、しっかりした姿が多く、私の好きなタイプでもあります。