ストレリチア秘話No.127 ストレリチアの水やり 「秘 伝」

 これは高度な栽培技術です。これが出来れば、「名人、達人」といえましょう。ストレリチアの自生地南アフリカは大陸ですから、雨の降り方は豪快です。我が国、日本のように、しとしと、と降る風情などはなく、土砂降りで、短時間に大量に降って、後はケロリとしたように天候は回復します。日本で一番、恐れられる自然災害は地震ですが、アフリカでは大雨の後、発生する大洪水だそうです。私は経験したことはありませんでしたが、彼らの話す表情から、我々の想像を越える恐ろしい規模のようです。

 ストレリチアにとって雨は、ただ、水分の補給だけではありません。ホコリや汚れ、それに虫、そして、身の回りの老廃物までも洗い流てくれる有り難い恵みなのです。この役割は少々の雨では無理で、ザンザン降りでないと果たせません。私が「ストレリチアは、夏は外に出して雨に当てなさい」と勧めるのは、このことがあるからです。その上、私たちの人工栽培では気づかない不足分を雨が補ってくれます。

 しかし、日本の雨は、いつも、こんな降り方ばかりではないので、時々、人が代わりにやってやる必要があります。これが「大灌水」なのです。半月とはいわず、一月に1回ぐらいは、やってやりたいものです。水やりの目的を次の3つと心得たら、「あなたは達人です」

  1. 水の補給 これは説明不要
  2. 根の呼吸を助ける 葉は、昼は二酸化炭素を吸い込み、酸素を吐き出す。夜は逆。根だって呼吸しています。水を大量にやることで古い空気を追い出して入れ替えてやるのです。
  3. 溜まった老廃物を洗い流す。ゴミがでるのは人間ばかりではありません。邪魔者は、地上部にも、いっぱいます。

 「大灌水」の後、きれい、さっぱりと洗われて輝く葉や茎、なんとも爽快な気分になります。これは人間だけでストレリチアは感じない?そんなことはないでしょう!