ストレリチア秘話No.128 ストレリチアの真髄 中心 中枢は?

 今回は、技術上の問題から離れて、根本的な事柄を追ってみましょう。生物のからだの構造や機能の点で動物と植物では大きな隔たりがありますが、私は、この専門家ではありませんので、ストレリチアに限って見ていきましょう。

 多くの植物では、特にストレリチアでは「中心」ともいえる部分があります。それは成長点です。多くの茎で囲まれていますから、そう簡単には辿りつけません。外側から次ぎ次ぎに皮を剝いていけば最後に現れます。ここは、真冬の休止期以外は、毎日、驚くほどの勢いで細胞分裂を繰り返し、新しい体を伸長させています。葉の成長中や花の活動中を除いては、一旦、出来上がった組織は、もう、老化以外は変化することはありませんが、この成長点だけは目まぐるしいほどの活動を続け、その位置も次々に移動してゆきます。このようにして、いつも新しい体を作り続けることが、ストレリチアの長生きの秘密なのでは無いでしょうか。

 ここが生長の中心なのですから、葉や茎、その他、どこが障害を受けようとも、ここ、成長点さえ、健全であれば、また複活することが出来るのです。寒害に対しても同じです。ストレリチアの大株を霜に会わせても、なかなか枯れないのは、成長点が多くの茎に囲まれ、守られた中心にあるからです。

 このように生長の中枢はわかりましたが、それでは花を咲かせる指令はどこからでしょうか、これは、まだよく分かりません。成長点ではない、思いますが、ではどこでしょう?