ストレリチア秘話No.140 ストレリチアの花 系統の違いは「首」或いは「肩」に表れる 

 私は、自分が生み出したストレリチアとは、どこで、出会っても、すぐ分かります。直接、手渡したものは当然なこことですが、間接的で、私を知らない間柄であっても花を見れば親は子を見分けることが出来るのです。これは、そんな難しいことではありません。

 ストレリチアの花は、いろいろな分類が出来ますが、その一つに花の首とも肩ともいえる部分が、隠れているか、或いは、伸びて露出しているかの違いです。首というべきか、肩にすべきか、まだ決まっていません。わたしは『首』を採用しています。この首の部分は苞の続きですから赤く染まることが多く、そのために首が伸びる方が華やかになり、美しさの点で有利です。欠点は、ここが伸びすぎると花の重みで曲がってしまうことが起きることです。

 ストレリチアの花、全体の中で、どれくらいの割合かは分かりませんが、我が国では、私の作出した系統が出回り始めていますから、やがては主流となるかもしれません。私が交配に使った親株が偶然、首の伸びる系統であったのです。これは主にレギーネの場合でした。

 ジャンセアでは、片親の「ユイテンハーグ」は首が、余り伸びない系統でしたが、もう片親のブラック ヒル系は首が、よく伸びる方で、遺伝の力も強かったので、ホッとしました。

 ジャンセア ゴールドも、親の『セットラーズパーク』が、やや伸びる方で、こちらも問題ありません。伸びようが、伸びまいが、大したことではないと思われるかもしれませんが、この首の部分が赤いか、どうかは、花の美しさを決める重要な部分なのですから、ゆるがせには出来ないのです。