ストレリチア秘話No.142 ストレリチアに好かれる人と嫌われる人

 擬人的と言いましょうか、人になぞらえた表現ですが、前に述べた「ストレリチアとの相性」の発展でもあります。この判定は難しいものではありません。ストレリチアは言葉で話したりはしませんが、その表情で、或いは姿で表現してくれますから、その人の持つストレリチアを見れば分かる、ということです。

 のんびりした人、鈍い人がストレリチアに好かれないわけは、こういう人と付き合っていると、いつの間にか忘れ去られてしまうからです。いくらストレリチアがキメ細かな面倒を見なくても良い、とはいえ、まったく面倒を見てくれないでは困るのです。時には必要なことも起きてくるのですから。ストレリチアが望む、好きな人とは、細かい面倒はどうでも、いつも関心を持ち続けてくれる人なのです。これは栽培技術以前の基本的なことがらといえましょう。言い方を変えれば「手は出してくれなくても構いません。だけど、目は離さないでくださいね」なのです。

 初めから栽培技術が必要なわけではありません。ストレリチアのように、大して面倒をみなくても済んでしまう植物は、この点の誤解が生まれやすいのです。

 「さあ、始めましょう」

 「何をしたら、いいんですか?」

 「会いに行って、眺めていればいいんですよ」