この鉢によって違うストレリチアの種子の発芽の仕方の原因は、環境条件の差では無く、種子の個体差でもない、となると、一体、何がそうさせているのでしょうか。そこで私は以前、南アフリカで起きた或る事件を思い出しました。
乾燥草原地帯で起きた野生のカモシカ クドウの餓死事件です。不思議に思った研究者はクドウを解剖してみました。すると、胃の中からは大量のアカシアの葉が出てきました。それなのに餓死とは?そこで分析をしてみたところ、基準を遙かに上回るタンニンが含まれていたのを発見したのです。クドウは葉を大量に食べても消化できなかったのです。そこで研究者は推定しました。
植物は動物に葉をたべられると困ります。そこで被害を受けると、警戒信号を発して周囲の仲間に知らせるのです。受け取った植物は、直ちにタンニン製造を始めて全身にゆきわたらせます。味を悪くして動物が食べにくくするのです。動物の方も、これを心得ていて遠く離れた木に移動していたのです。ところが近頃は人間世界も世知辛くなって、土地を小さく分割して有刺鉄線で囲うようになっていたのです。その結果、野生動物たちは遠くへ行くことが出来ず、仕方なく、味の悪い葉でも食べなければならなくなって、餓死してしまった、ということらしいのです。
これが事実なら、ストレリチアの種子どうしがお互いに連絡し合っていると、考ても間違いではないのでは無いでしょうか。
「おおい、そろそろ、芽をだそうではないか、」「そうだ、そうだ」の鉢もあれば、
「まだまだ、寝ていよう、急ぐことは無いよ」『そうだ、そうだ』の鉢もあるのではないでしょうか。もちろん、それぞれの苗には個性がありますが、全体してみると、こうではないかと思うのです。