ストレリチア秘話No.153  ストレリチアの根の張り方 いろいろ

 ストレリチアの地植えでは。その土地特有の土質に植えられます。粘土質の土地では、根は、そう深くは伸びません。土も硬く、湿り気も多いからです。根は横に張ります。砂質壌土や砂地では、根は地中深く伸びていきます。海浜植物と同じで、地表は水分が少ないために深く伸びるわけです。伊豆半島は特殊な地域で、硬い岩盤の上に降り積もった火山灰で出来た土壌で、厚さは3,40センチぐらいしかありません。これでは根は地中深く伸びることは出来ず、横に広がるだけです。ここの取り柄は掘り上げが楽なことです。このためにこの地域は植え替えの頻度が高いようです。ちょうど、地植えと鉢植えの中間のような感じです。

ストレリチアの横に伸びた根、どれくらいまで伸びるのでしょうか。正確に調べたことはありませんが、4~5mは見たことがあります。こうなってくれば、肥料も水も、どこからでも吸えます。ストレリチアの大株が少々のことでは枯れないわけです

 この根の量は思ったより大きいようで、10年も経た株では、株全体が土ごと盛り上がり、ちょうど畝に植えられたような感じになってきます。こうなると、ますます、水はけがよくなります。これでは軟腐病、ベト病の心配はありません。反対に乾き過ぎになっても気ずかないことも起こしてしまいます。

 ストレリチアの大株を掘り上げた後に残った大きく、深い穴を見て、「ああ、こんなにも根があったのだ!」と驚かされます。実は、まだ周辺にもあったのです。これがわかるのは、ずっと後になります。