ストレリチアの根茎が生長、開花の必要を超えて伸びて、養分、水分を備蓄することをのべましたが、これは地植えの場合だけではありません。鉢植えだって同じ現象が起きます。植え替え時に鉢から抜きますと、植え込み材料はどこへいってしまったのか、と思うくらい根茎が張り巡らされているのが分かります。
そのまま、つぎの鉢へ入れようとすれば、一回り大きな鉢が必要となります。初心者は根を大切にするあまり、こうすることが多いようです。結果として、株に対して鉢が大き過ぎ、バランスが悪くなってしまいます。こうして鉢かえを繰り返しても、無限に大きくすることはできません。どこかの段階で小さく戻さなければならないのです 。
こんな初心者のやりかたを続けては駄目です。余分な根茎は切り捨てて、ほどほどの大きさの鉢に収めなければなりません。遠慮はいらないのです。前から述べているようにストレリチアの一人前の株は、生育の必要を超えた備蓄を持っているのです。これが無くなったからといって、すぐに困ることはないのです。バッサリ切り取ってください。ただし、どの程度にやるかは、経験を積むしかありません。
切り取られて捨てられた根茎の山を見て、唖然とする人も少なくありません。
「この根を植えたら芽が出てきませんか?」
「ストレリチアは、そんなことで殖えたりはしません。世の中、そんなに甘くないです」
やがて、この山も水分が蒸発してぺしゃんこになり、 消えて無くなります。