ストレリチア秘話No.159 ストレリチアの対策 いろいろ

 ストレリチアの栽培用具として私はハサミではなく、小刀を使っています。葉も、花も根さえも。ストレリチアの茎は硬く、ハサミでは、よほど確りした造りで、しかも切れ味がよくないと使いにくいからです。刃物だと、上から押さえるとスパッと気持ちよく切れます。

 その切り口を見て「だいじょうぶですか?」と心配する人もいます。切り口から細菌が侵入するのではないか、と気になる神経過敏な人です。心配要りません。ストレリチアは細菌やウィルスには平気、しかも、切り口は直に乾いて守ってくれます。

 自生地の調査で気づいたのですが、ストレリチアの葉や茎が野生動物に全然、食害されていないことでした。アフリカの草原では、草食動物によって多くの植物が食害されますから、こんなことは当たり前のことですから、被害を受けないのに不思議な感じを持ったのです。きっと動物にとっては味が良くないに違いありません。

 それに引き換え、我が家ではカイガラ虫やミノ虫の被害に困っています。現代は地球規模で人や物の移動が普通ですから、困った生き物が次々にやってきて被害を受けるのです。害虫もふるさとでは天敵がいて大発生を押さえてくれるでしょうが、新しい天地では、やりたい放題の状態になりやすいのです。

 ストレリチアもふるさとでは安定した生態系のなかで無事に暮らせたのに、新しい土地では、全く経験したことのない害虫に取り囲まれることになるのです。いや、その安全だった自生地にだって、もう、外からの侵入者が入っているかもしれません。こうなると地球上、どこにいても同じだということになりかねません。おっと忘れていました。われわれ人間の感染症だって同じだったんですね。