ストレリチア秘話No.161 ストレリチア栽培と長雨

 夏の梅雨と秋の長雨、どちらも、しとしとと降り続いて、乾燥を好むストレリチアには良くないだろうと心配になります。でも、それは理想的な栽培が行われていれば、の話であって、大抵は、この長雨に救われていることが多いのです。

 地植えでは、少々の雨では、地中に伸びた根の先端までは、なかなか届きません。鉢植えでも、特に2年目に入って根が回った状態の鉢では、普通の水やり程度では十分とは言えず、不足なことが多いのです。これを一気に解決してくれるのが長雨なのです。

 もう一つのメリットは、害虫の繁殖を抑えてくれることです。大抵の害虫は乾燥した環境が好きで、水にぬれるのを嫌がります。殺虫剤ほどの効果はないとは言え、まあまあの働きをしてくれます。

 ホコリも洗い流してくれて、みずみずしいストレリチアの姿が見られることは気分の良いものです。時には、調子に乗りすぎて、普段のペースを越えた伸びをしてしまうこともありますが、乾いた日が巡ってくれば、引き締まった姿にもどってくれます。

 土砂災害を起こすほどの雨量は困りますが、ストレリチアにとって「大雨」は決して悪いことではありません。普段はやれなかったことを取り返してくれるチャンスでもあるのです。少々、困るのは、余りにも長く降り続くと、葉に黒い斑点が出る、などの被害が起きることもありますが、これだって、毎年あるわけではありません。