ストレリチア秘話No.166 ストレリチアの用途「観葉植物としてのジャンセア」 

 現代の建築は、ますます、植物との同居が求められてきています。庭園では草花や植木、室内では観葉植物と、その利用が盛んになってきています。ストレリチアも仲間入りはしてはいるのですが、いまひとつ、まだ、使い方が定まっていません。

 もちろん、ストレリチアは花の観賞が第一ですが、これからは、観葉植物としての用途にも目を向けるのも、もう一つの方向ではないかと思っています。それというのは、今までは、殆ど目にすることが出来なかった「ジャンセア」が登場してきたからです。早くからニコライやレギーネが使われては来ましたが、この両者はともに、日光を受けられない場所に長く置かれると、葉が元気がなくなり、姿が乱れてくるのが欠点でした。この点ジャンセアは、環境に左右される部分がなく、長く、同じ姿のまま、生き続けることが出来ます。日の当たらない部屋の中に長い間、置かれても平気なのです。

 勿論、こんな環境の中に置かれれば、開花のために良くないことはわかっています。でも、ここでの目的は花ではなく、観葉なのです。しかたのないことです。こんな扱いですから、花立ち優れた優秀品種を使うわけにはいきません。姿さえ良ければいいのです。庭園に植えて花を見るのではなく、室内で観葉植物として扱うには、安い株で十分です。とは言え、ジャンセアは、そう安くはないのですが、これは比較の上でのことです。

 だからと言って、一年中、部屋へ入れっぱなしも、どうかと思います。夏は新芽が伸びてきますから、この季節は外へ出して休ませた方が良いでしょう。

 葉柄の直線の集団の幾何学的な姿は、まさに現代建築にぴったりです。