ストレリチア秘話No.168 サンバードの意外な行動を発見する

 ストレリチアの研究にとってサンバードは脇役です。しかし、なにが役に立ってくれか前もって分かる筈はありません。意外なところに回答が潜んでいることもあるので、ゆるがせにはできないのです。私はサンバードの観察にそう多くの時間はかけてきませんでしたので、そのときは気がつかず、今になって「あ!そうだったのか」と気がついたことがあるのです。セットラーズ パークのレギーネの花での写真は、皆、オスばかりだったのに、その時は、何も不思議に思わなかったのです。ただ、写っていたのを喜んだだけでした。その後、イースト ロンドンでニコライの花に集まったサンバードを撮影しました。現像後の写真はメスばかりだったのに、それも不思議には思いませんでした。

 それが、とんでもない後になって、「アレッ!」と気がついたのです。オスがレギーネに多く、メスはニコライに多いのは、偶然ではなく、何か訳があるのではないか、と思い始めたのです。オスは平気で危険を冒して飛び回り、メスは安全な所でひっそりと行動している、といえなくもないのです。そういえば、ニコライの苞とメスの羽毛の灰色は、よく似ていて、保護色の働きをしていたのです。

 このことがストレリチアの研究に、どれほど役に立つかは分かりません。研究者とは、ご苦労様な存在なのです。

 この時の撮影には1000ミリの望遠レンズを使いましたが、その後、鳥の習性になれてきて200ミリ レンズで撮影できるようになりました。何しろ、家の近くなら兎も角、長くて重い望遠レンズはアフリカくんだりを持ち歩くのに骨がおれます。私がジッとして動かなければ、鳥は安心して近寄ってくれることを発見したのです。