ストレリチア秘話No.172 ストレリチア価格と価値の関係  その1

 私はストレリチアを売る立場にありますから、これは身近な問題です。ただし、扱う品、全部が自分で作りだしたもので、他から仕入れたわけではありませんから、余分な条件は考慮する必要がない分だけ純粋に考えることが出来るのが利点です。

 現代の商品の大部分は、製造から販売までのルートが出来ていて価格も公表されていますから、ほぼ、安定しているのですが、それでも、時や場所によって多少の変動がありますから、消費者は一喜一憂します。これとは別に数の少ないものは、昔ながらの素朴なルートで取引されます。ストレリチアは、この古い方に入ります。それだけに変動の幅が起きやすいといえましょう。

 ストレリチアは草花などに比べて高価です。これは生育に年数がかかるためで、経費がかかるのは仕方ないことです。初心者の中には理解出来ない人もいますが、大抵の人は納得してくれます。この先に問題が起きるのです。仕入れて販売する過程の経費を、どの程度にみるか、そこから、差がうまれてきます。

 普通の品や整理品は最低価格ですから、あまり大きな開きは出ません。品質が問われる高級品ほど、人によって評価が異なり、売り手、買い手によっても差が広がってしまうのです。

ここで買い手に不安が生まれます。

「この値段は、果たして品物相応だろうか?」

と。相場が定まっていないために、この不安は消えません。そこで買い手の目利き、売り手の信用が試めされるのです。