ストレリチア秘話No.184 直立した スッキリした姿が魅力のジャンセア

 意外なことにジャンセアは建築関係の人々に好まれます。園芸関係ばかりではなかったのです。それは、ジャンセアの、あの直立した、スッキリした姿が現代建築にピッタリと映えることに気づいたからに違いありません。それが、困ったことに現在、出回っているジャンセアは非常に少ないために彼らを満足させていないのが現状なのです。

 あの直立した姿のわけは南アフリカの自生地に立ってみると一目瞭然です。遮るもののない、広々とした風景の中に立つジャンセアに降り注ぐ強烈な日光。夏に、この環境の中で太陽光線をまともに受けたら焦げてしまうことでしょう。そこでストレリチアは、体を直立して真上からの光を斜めに受けて和らげるように進化したのではないでしょうか。ストレリチア全体がそうなのですが、ジャンセア、パーヴィフォリアは特に顕著に表れています。太陽の低い季節には、直立した葉柄は斜め、横から十分に光を受けることが出来ます。

 私たちは、このことを感じてのことではなく、これから派生した姿の美しさに惹かれているのです。しかし、いくら建築関係の人々が関心を持ってくれたとしても、私たちの周囲には、このことは殆ど実現されていません。品が手に入らないからなのです。つまり、需要は潜在していても、供給が間に合わないために、まだ、表面には動き出していない状況であるといえましょう。室内だけでなく、外回りにもジャンセア、パーヴィフォリアが活躍する日がくることを信じています。

 このように直立するのがストレリチア本来の姿なのですが、レギーネの中には、斜めや横に広がったり、垂れたりする個体もあります。これは弱い光でも十分に受けられる構造なのですが、ストレリチア本来の姿では無く、従って美しさにも欠けています。手に入れるときには要注意です。