ストレリチア秘話No.195 いくらストレリチアでも花は寒さに弱い

 このストレリチア秘話の初めの頃、No19にてストレリチアの寒さに対しての耐性について述べましたが、今回はその続きです。ストレリチアは葉、次いで葉柄はもっとも寒さに強いのですが、実は弱い部分もあるのです。

 それは花なのです。花、そのものは寒さに耐えるのですが、花芽は進行途中の蕾の時に凍る寒さに会うと死んでしまうのです。正確にいえば、花粉が作られている頃に当たります。

 花の形が出来たというのに、いつになっても、春が来ても、とうとう咲かずに終わってしまうことがあります。これは花が寒さにやられてしまったからなのです。

 これが起きるのは初冬の頃ですから、花芽が、ちょうど、この季節に差し掛かった時は要注意です。鉢植えなら玄関や室内に取り込めばよいのですが、庭へ地植えの場合は防寒が必要となります。ビニールかネットを被せて風に飛ばされないようにすればよいのです。これは土地によって寒さの程度に違いがありますから、実験を重ねればよいでしょう。気を使うのは花粉形成期だけですから、過ぎてしまえば大丈夫です。

 荒々しい姿をしたアロエ マルロシーという植物があります。私はアフリカでのなじみがありますから、好きな植物です。これが寒さには強く、普通の霜程度ではビクともしませんが、花だけはそうもゆきません。南房総でも少し海から離れたところでは、数年に一度ぐらいしか花を見ることが出来ません。蕾の伸びる時期に霜に会いやすいのです。運良くずれた時しか咲くことが出来ないのです。