ストレリチア秘話No.203 ストレリチア栽培と施設 

 今は12月中旬、我が家のストレリチア圃場では、濃い緑の株が立ち並んで、花芽も何とか、ある程度の数が順調に伸びています。実は、ここ、半年前は、例年にない寒さの被害を受けて、枯葉の集団だったのです。

 実は、この圃場、4年前までは120坪のガラス温室だったのでした。それが台風15号によって吹き飛ばされてしまったので、露地栽培となった結果の風景なのです。風速50mを越える暴風には、耐えられる園芸施設はないことを思い知らされてしまいました。以後、人工的な施設には頼らない、栽培を模索するようになったのです。それまでにも何回も、寒さの被害を経験してきましたから、或る程度自信はありました。ストレリチアは、例え、葉や茎が凍っても、中の成長点さえ無事ならば、また復活してくることを知っていたのです。ただし、これは出来上がった大株のことで、まだ小さな苗は耐えられませんから、もう少々庇護が必要です。このようにして何とか栽培を続けられるようになったのが現状です。

 だからといって、以前と、そっくり同じになった、というわけではありません。人工の温度管理ができず、自然任せとなったわけですから。大きく変わったのでが「開花時期」です。冬の寒さのために春の生長開始が遅れ、結果として、次の開花時期も送れるようになったことです。でも、これは悪いことばかりではありませんでした。ハウス栽培の頃は、需要の少ない11月に多く咲いて困っていたのが、露地栽培となったら、それが12月にずれてくれるようになったのです。それにしても、人工的にコントロールできないのですから、手放しで喜ぶこともできません。また、冬の開花が遅れて春にずれ込むようになりましたから、春の花の処置を考えなくてはならなくなりました。

 小さい35坪の温室は骨組みだけ残ったので、いまでは遮光用のダイオネットを張って霜よけとしていますから、露地よりは保護された、穏やかな環境となっています。ストレリチアを栽培される皆さんも、それぞれの環境条件にあった栽培方法を発見して頂きたいと思っています。