ストレリチア秘話No.205 ストレリチアへの誤解 

 前の章No204で述べました続きにもなりますが、放り出したような、ひどい扱いではなくても、ストレリチアの強さに寄りかかって、あまり、面倒をみない栽培をみかけることは少なくありません。

 植物の分け方にも色々ありますが、「私たちの気候風土の中で生きてきた在来種」と「外国からやってきた植物」とに分けることも出来ます。地植えの場合、在来種はもともとの環境の中ですから問題ありません。しかし、外来種の場合はそうはいきません。多くの条件の中には、必ずしもなじめない部分があるのです。そこを栽培者が補ってやらなければならないのです。鉢植えの場合は、地面から切り離された状態ですから、尚更のことです。ストレリチアは丈夫な植物ですから、或る程度は我慢してくれるでしょう。それでも、環境は、そっくり同じではないことを忘れるわけにはいかないのです。

 「グリーン フィンガー(緑の指 植物扱いの名人)」とは、この配慮が出来る人を指さします。でも、間違えないでください。「ゆび」とはいっても、必ずしも、いじり回すことだけではありません。「配慮!」なのです。私は今までお会いした人の中に、「毎日、水やりをしないと気が済まない」とおっしゃる方がいました。これなどは、植物の生理的欲求を無視した「愛情過剰」とういうべきでしょう。