ストレリチア秘話No.208 世界のストレリチア その1

 現在、ストレリチアが世界中で、どう扱われているか見てみましょう。まず、原産地の南アフリカです。ここでのストレリチアはプロテアと並んでナショナル フラワーとなっていますから、国内、どこへ行っても「道路の分離帯や公園」から個人の庭園に至るまで、どこでも、お目に掛かることができます。毎日、見られる、なじみ深い花なのです。一時、ヨーロッパへの輸出を目指して切り花栽培も始まりましたが、ストレリチアの切り花は重く、かさばるので輸送費の負担が大きく、その後は、あまり発展しなかったようです。どこでも、お目にかかれる、とはいえ、今の日本人の目から見ると、昔からの花ばかりで驚くようなことはありません。それだけ、我が国が進んでしまった、といえるでしょう。

 次はヨーロッパです。花が好まれ、需要は多いのですが、残念ながら寒い地域が多く、ストレリチアは温室でないと栽培できません、このため、供給が限られてしまっています。南ヨーロッパでは栽培可能と思うのですが、果樹栽培のような熱意は見られません、これは私の偏見かもしれませんが、花の好みは民族によって異なるように思えます。

 アメリカは適地が多いのですが、ストレリチア栽培は、ロサンゼルスを中心とする南カルフォルニアに集中しています。栽培は楽で生産も多いようですが、水準は、あまり高くないようです。研究機関も研究者も見当たりません。アメリカのことですから、いざ、本腰をいれたら・・・と思うのですが、現実には起きていません。