ストレリチア秘話No.215 ストレリチアの可能性が広がりつつある

 私のストレリチアの品種改良はレギーネから始まって、ジャンセア、パーヴィフォリアと進んできました。その結果、ストレリチアとは、こういうもの、との固定観念が出来てしまっていたのではないかと反省しています。

 実は、今、これが少し、揺らいできているように感じています。それは「ジャンセア ゴールド」の登場によってです。この系統は、どうやら、今までのストレリチアの固定観念を超えているように思われてならないのです。

 今までジャンセアは、カチカチで硬く、育ちは遅いのが普通でした。ところが、ゴールドはレギーネ並みとは言わないまでも、随分、早くなっているのです。花立ちも良好なものが多く、苞の色の美しい個体の出現率も悪くありません。更に最近、気がついたことは、11月になっても花芽が顔を出してくる個体も少なくないことです。これは遅咲きに「超」をつけるほどで、今まで終わりの花の季節は極く少なかったのに、です。また、大して早い訳ではありませんが早咲きの出現率も少なくありません。いったい、何が原因で、こんなことが起きるようになったのでしょうか。それは遺伝のなせるわざに決まっていますが、ジャンセア黄色原種のせいなのか、或いは、その子供のオレンジのレギーネとの雑種「パーヴィフォリア セットラーズパーク」の雑種強勢のためなのか、正確なことは分かりません。とにかく、遺伝の段階で今までのストレリチアの性能の限界をはみ出しているようです。  これではストレリチアに対しての今までの評価を改めなくてはならない、と思っています。今は開花期で、これから交配の作業が始まりますが、この突出した性能を、もっと広げる方法を編み出さなければならないと考えています。