ストレリチア秘話No.361 やはり出た!水のやり過ぎの結果

 負け惜しみではありませせんが、これは失敗というほどの悪い結果ではなく、少々、はみだした、踏み外した、ぐらいの事だろうと思っています。

 昨年の夏、ジャンセアだけに必要以上の水やりをやってみました。それが半月、一ヶ月も過ぎると、そろそろ、結果が現われてきたのです。それは新芽が早く育ちすぎて柔らかく、薬柄を支えきれなくなり、曲がったり、倒れたりの症状が出てきたのです。専門用語を使えば、

「植物体を支える構造である雑管束が強化、固定化されるより、細胞分裂による成長のほうが早くて、植物体の重みを支えきれなくなって曲がってしまった」ということで、簡単に言えば、「育ち過ぎ、徒長」になってしまった、ということです。「過ぎたるは、及ばざるがごとし」だったのでした。面白いことに、レギーネでは、こいうことは多くありません。ジャンセアに多く発生するようです。

 ジャンセアの自生地は雨量300mの乾燥地帯ですから、水が多すぎて困る事など起きません。だから水ガ多すぎ時は節制するような仕組みには進化しなかったのでしょう。そのジャンセアに水を多く与えたのですから徒長させてしまったのです。

 それにしても、腐ったわけでも、病気にかかったわけではなく、柔らかく育っただけだったので、ホッとしています。結果として一日おきの水やりに戻っています。

 ジャンセアの生理からいえば、二日おきでもいいくらいでしょうが、そこは少しでも大きく育てたい気持ちが捨てきれません。

 よく観察してみると、すべての株が、こうなったわけではないことがわかってきました。

 新芽が伸び始めた状態では異常はありません。柔らかく、大きく育っただけです。被害を受けたのは、、或る程度、芽が伸びていて、それを支え無ければならい状態になったときなのです。

 10cm未満の2年生の実生苗には、徒長するほど、タップリと水をやっています。一人前の株とは違うからです。柔らかく育っても、それで支えきれないほどの大きさではなく、水の要求量も多いからです。このようにストレリチアの栽培は、いろいろと奥が深いのです。

 「ストレリチアは困苦欠乏に耐えますから、栽培は楽です」とは、丈夫に出来上がった株を相手にする初心者むけの言葉なのです。