ストレリチア秘話No.35 ストレリチアが食用に? 

 南アフリカのストレリチアについての記述を読みますと、面白い記事に出会うことがあります。その中の一つを取り上げてみましょう。

 「南アフリカの原住民は、飢饉で食べるものがなくなるとストレリチアの種子を食べる」とのことです。ストレリチアの種子は、小豆粒ぐらいの大きさで、表面は黒く、中は発芽のための養分である澱粉質がつまっています。これを石臼で挽いて、おかゆにして食べるのでしょう。私は原住民の昔からの生活を紹介する観光施設で、モロコシの粉で作った「おかゆ」を試食したことがあります。素朴な味で、そう、おいしいものではありませんでした。同席したヨーロッパ系の人たちは、見慣れない、わけのわからない食べ物を気味悪がって手を出そうとしない中、平気でたべたのが、日本人の私だけ。「なるほど、日本人は、物事に挑戦する意欲を持っているのかなあ」と思ったことを覚えています。

 味は、あっさり、としていて、ヨーロッパ人が昔から食べてきたオートミールにそっくりなのですが、こちらは今では、牛乳をかけて味を整えているだけのことなので、、調理の仕方も、そっくりなんです

 ストレリチアも似たような味などだろうと思うのです。しかし、研究上、毎年、種子を採取している私の経験から言えば、食べるだけの量を採るのは大変な労力なので、これは、やはり、飢饉の時ぐらいしか、やる気にならないだろうなあ、と思っています。

クウレハ川自生地