今回は、少々、難しいお話になりますが、ストレリチアを栽培されている方には、必要な知識です。自生地調査で分かってきたストレリチアに必要な環境条件の中で、気温の問題は自然現象であるためにどうしようもありませんから、栽培では、人工的に環境を整えるしかありません。問題は降水量ですが、これは、いくらでも水やりで調節出来ます。
レギーネは500ミリ、ジャンセアは300ミリ地帯の産なのですが、公園の管理をしている人々は皆、言うのです。
「ストレリチアは、水を多くやった方が、良く育ちますよ」
と。つまり、自生地の雨量、500ミリでは足らない、というのです。このことは、私の栽培上の経験でも同じなので同感です。では、なぜ、ストレチアは、水が不足気味な500ミリ地帯に生きてきたのでしょうか?以下は私の推論です。
「ストレリチアだって、もっと水の多い所に住みたいのです。だけど、そんな条件の良いところは、すでに、もっと大きく、高くなる植物が育っていて、そこではストレリチアは日陰に追いやられてしまうでしょう。ストレリチアは十分な日光を浴びることが必要なのです。そこで、仕方なく、水を少し我慢すれば、望む場所が確保できるではないか」
と。これが今の自生地を選んだ理由であろう思っています。
では、ストレリチアが望む、最適の生理上の雨量は、と言えば、私は1,000ミリぐらいではないかとおもっています。これは栽培上の経験からです。つまり、ストレリチアは、
「水やりを忘れられても、生きているが適度な、水やりをしてやれば、よく育つ」
と、いうことでしょう。
*ジャンセアは構造上、乾燥には強いのですが、意外にも水が多い方が良く育つのに驚いています。但し、水はけ良く植えることが必要です。