ストレリチア秘話No.71 ストレリチアの需要と供給 その1

 ストレリチア栽培状況と需要世界的に見てみましょう。

 まず、ヨーロッパです。ここは寒くて栽培は楽ではありませんから、生産量は少なく、切り花の殆どが輸入に頼っています。従って、花の好きなヨーロッパ人でも、簡単には手にできない高級品となっています。趣味栽培も、日射時間の短い冬が長い地域が多く、室内の栽培に頼るだけです。南ヨーロッパでは栽培は少々、楽になりますが、人々の意識が、まだ低く、需要も多くありません。

 つぎは東南アジアですが、実は、ストレリチアは熱帯性気候が好きではないのです。そのために、ストレリチア本来の力が発揮できません。露地栽培が出来るとはいえ、雑草の繁茂も激しく、栽培労力は大変だろうと思います。

 北米では、南カリフォルニアでの栽培が多いのですが、切り花の需要はあまり、伸びないようです。ロサンゼルスでは庭園樹として、よく植えられていますが、水準は、高いとはいえません。南米やオーストラリアでは、気候もよく、植える場所には事欠かないでしょうが、需要があまり、ありませんし、熱意も高くありません。国内に需要がなくても、海外に輸出が出来ればよいのですが、ストレリチアの切り花は重くて、かさばり、輸送経費がかかるので、マイナス面が大きいのです。中国南部でも、一時、始まろうとしたようですが、やはり、輸送経費の点で足踏みしたようです。おかげで、日本へは切り花が入ってきていません。