ストレリチア秘話No.103 質素な、素朴なストレリチア栽培を目指す その2

 台風15号の被害は、私に得がたい教訓を与えてくれました。それは、風速50mを超える強風に耐えられる園芸施設はない、ということでした。施設を再建しても、また、襲ってくるであろう次の災害は防げないのです。

 翻って、ストレリチアを見てみれば、飛んだガラスや壊れたハウスの骨組みによって葉が傷つけられた以外、強風による被害は、殆ど受けていないのです。私は、この差に驚き、あきれました。災害に遭うのは人工の施設であって、植物は耐えられることを知らされたのです。これで進むべき方向が定まりました。植物の限界を知ることで、施設はできるだけ減らすことにしたのです。

 対策の殆どは冬の寒さに対してです。まず、ベランダや軒下の置き場はそのまま、骨組みだけは残った35坪の温室は、屋根にダイオネットを張りました。これは十分な効果を発揮してくれました。次は野外の置き場です。大事な鉢植えには霜よけの50%遮光のダイオネットかぶせ風よけの重しを乗せました。これには手こずりました。強い風が吹くと、直ぐに飛ばされてしまうのです。まして、私の住む南房総は、西風の季節風の強い処ですからたまりません。霜よけが飛ばされてしまって、凍る被害も起きました。残るは、地植えのレギーネの大株とジャンセアの普通株の鉢植えですが、少々、広いために放置、つまり、露地そのものの扱いとしました。これで2019から2020年へかけての冬は、ほぼ、無事、安全に越すことが出来ました。