ストレリチア秘話No.106 ストレリチアと共に生きる 

 長い間、ストレリチアの栽培をしていますと、座って、何もしないで、じーっと、ただ、眺めている時間が多いのに気がつきます。菊やバラのように、構造がキメ細かで、生長も変化が多い植物とは違い、なかなか変化しないストレリチアを見ていると、のんびりとしたペースに巻き込まれ、いつの間にか、何も考えないで、ただ、ぼーっとしている時間を過ごすことになります。これは、忙しさに追いかけられる現代人にとっては、得がたい「いやし」になるのではないでしょうか。

 「おっ、このあいだまでは、1日に2,3ミリしか伸びなかったのに、今日は5ミリも育っているではないか」

と気づくこともあります。実は、サインペンで印をつけて計っていたのです。

 こうしたことの相手は、レギーネよりジャンセアが向いているようです。カチカチな姿で、鈍重で、丸っきり変化がないように見えるからでしょう。でも、これは人によって、感じ方が違うかもしれません。植物が人のストレスをいやしてくれのは観葉植物で証明されています。しかし、これも、植物によって効果や向きが違ってくるのではないでしょうか。ストレリチアには、ストレリチアなりの独特な働きがあるのではないか、と思っています。あなたは気づいていないかもしれませんが、実は、「あなたはストレリチアに助けられている」かもしれないのです。