ストレリチア秘話No.120 ストレリチアとの付き合い方

 今回は「ストレリチア秘話」120回を記念して、また基本に戻りましょう。私の所には時々、見るも哀れな姿のストレリチアが持ち込まれることがあります。持ち主が、どうしたらよいか、困ってしまってのことです。

 大きくは二つに分けられます。1つは水の、やり過ぎで根が腐ってしまった株です。1年中、室内に置かれて、日光を浴びられないで、しおれ掛かった状態のものもあります、両者に共通するのは、可愛がりすぎ、過保護です。

 もう一つは、放任されて、全然、手を科掛けてもらえず、カイガラ虫が大発生して、全面が白くなってしまった状態や、株が殖えすぎて、鉢からはみ出てしまっている株もあります。この、どちらにも共通することは、ストレリチアと付き合うのにスタンスが会っていないから、ということです。

 ストレリチアの寿命を仮に1000年とし、にんげんは100年としますと、10倍の開きがあります。荒っぽい言い方をすると、人間に比べてストレリチアの反応は10倍遅い、と見ても良く、この10:1の開きが問題を起こす、ともいえます。

 このために私たちは、ストレリチアの遅いペースに、なかなか会わせられないのです。それで、せっかちな反応をしたり、付き合いきれずに投げ出したりしてしまうのです。こんなわけでストレリチアと付き合うのは簡単ではなく、合わせられた人が「名人」となるのです

 名人は、いつも関心を持ち続けて近寄りますが、余分なことに手は出しません。それでも焦れったい気分は人間であるある以上、避けられません。これには数多く持つことで解消できます。