ストレリチア秘話No.264 ストレリチアと雑草 

 一般の花栽培と同じでストレリチアも雑草には悩まされます。鉢植えでは、簡単に引き抜ける草はともかく、 カタバミやニラのように、はびこってしまうと、植え替え時でないと除去出来ない草は困ってしまいます。それでも、まだ若い内に発見すれば楽に引き抜けますし、元々、 ストレリチアは乾燥状態が続く時間が長いので、鉢は雑草には快適な環境ではありませんので、まあまあ、大きな問題にはなりません。

 ハウス栽培では、雨を除けてストレリチアに快適な乾燥状態を保つので、雑草は、あまり生えてきませんが、露地栽培では大きな障害となります。 東アジア モンスーン地帯はストレリチアにとって雨量が多すぎるのです。レギーネの自生地では500ミリ、ジャンセアでは 300ミリに対し、我が国では、少ない所でも1500ミリもあり、3倍以上にも達します。これは雑草にとって生育の最適条件です。本州の太平洋岸は、まだしも雑草の生育期間は限られるものの、 南西諸島では長く続くので、ストレリチアより雑草の方が早く育ってしまいます。

 除草剤の使用など考えてはいけません。 薬害が起きることは間違いないでしょうから。草取りの労力を減らすには、草が元気に育たないよう、土を乾かすことが必要で、そのために、あらゆる手段を講じるべきです。 その上、ストレリチアの周囲に植える植物は、水分の要求量が同じ程度のものを選ぶことが望まれます。ホースで水撒きをするなど、とんでもないことで、雑草を育てるようなものなのです。それでなくても日本の雨量はストレリチアにとって多すぎるのですから。

 ストレリチアは、 元々、 他の植物に邪魔されない乾燥地に自分だけは耐えられるよう進化してきた植物だと思っています。これを念頭に置いて栽培すれば間違いないことでしょう。