ストレリチア秘話No.437 ストレリチアの守り神は私たち

今日、散歩で回っていて驚きました。ある公共施設の庭園に私が寄贈して植えたアフリカ産のアロエが全部、掘り捨てられ、代って草花が植えられていました。初めの頃は私が、しばしば手入れをしていたので健在だったのですが、私が忙しくなり、面倒を見きれなくなって放置されたような状態でしたから、こうなってもしかたないことです。私から見れば、貴重な、珍しい種でしたから、大切な資産として、また、地域の特性を表わす存在として永く生き残ってもらいたいと思っていたのですが、ものの価値のわからない人にとっては、ただの邪魔者にしかみえなかったからでしょう。このような例は周囲にいくらでも、昔から起きてきました。結果として貴重な財産は次々と失われてきたのです。

 生命のない美術品でも保存することは大変な事業です。それが植物となったら尚更のこと、守る人どころか、面倒を見てくれる人が居なければ生きていけません。一度消えてしまった遺伝資産は二度と生み出すことは出来ないのです。永久に失われてしまいます。

 私は改めて自分が育てているストレリチアの将来に思い至りました。私の役割はストレリチアを生み出すことだけではなかったのです。いかにして、それが将来まで生き残る事が出来るのか、そこまでやらないと自分の責任を果たしたことにならないと。ストレリチアは丈夫で、強い植物です。それでも守ってくれる人がいなければ生きていけないのです。私は、生命の長い、長いつながりを手助けする立場にあることに気づかされたことでした。

 さて、それでは具体的な行動はどうするか、それが今後の課題です。