花は花粉を受け取って種子を作るための器官ですから授粉してしまえば役目を果たしたことになります。作業が済めば、さっさと閉じてしまいます。
花を長く鑑賞しようと思うなら受粉しないよう手配りが必要です。ストレリチアの花はサンバードだけが授粉しますが、この鳥は日本にはいませんので、安心していられます。他の花には蝶やミツバチがやってきても、ストレリチアの蜜の吸い方を知りませんから、何の被害もありません。
鳥ではメジロが来ることもありますが、蜜の吸い方を知らず、また知ったところで嘴の構造が違いますから無理です。ストレリチアの花はサンバードと共同で進化したもので、他の鳥や虫が来ることは想定していません。お陰で我が国では、ストレリチアの花は長く咲いていられます。種子を採るために花粉を付ければ話は別です。ストレリチアは花を咲かせるだけでも養分の消耗が激しいですから、種子を生産させたら、疲れ果てます。必要も無いのに種子はつけないことです。

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