ストレリチア秘話No.454 ストレリチア遺伝形質のルーツ探し

 ストレリチア研究者とは、全く、ご苦労様なことまで首を突っ込みます。今、私が関心を持っているのはジャンセア ゴールド系に多い、の先端が赤くなることです。

 生みの親、「パーヴィフォリア セットラーズパーク」のが赤く色づいてきました。この品種は花立ちがよいので、集団となって目立ちます。

でも、よく見ると、特別に紅色が濃いわけではありません。まあまあの柔らかい色調です。

 それなのに子供達の中には、強調された濃い紅色のものも出ます。遺伝の面白さなのですね。

 この親株は交配種なので、特色あるの出所を調べてみることにしました。母親のジャンセア黄色種の写真を見ると、これといって特色の或るではありません。となると花粉親のオレンジレギーネの遺伝なのだということになります。でも、運んできたのはサンバードで、しかも、レギーネの植生は少し離れた所なので、株の特定は出来ません。

 ついでに面白いことも発見しました。ジャンセア黄色原種の隣にはオレンジ ジャンセアが植えられていたのです。それなのに、すぐ隣のジャンセアでなく、離れたところのレギーネの花粉がついてしまったのです。もし、これが成功していたら、一代目の子供はジャンセアだったはずです。花色は同様のオレンジでしょうけれども。それがレギーネだったので、小さな葉のパーヴィフォリアだったというわけです。その後、ジャンセアゴールドの誕生まで20年かかりましたが、こんなご苦労様なことをしたのは、日本の鈴木しかいないので、ジャンセアゴールドは日本でしか入手出来ません。

 身近な隣同士なのに結婚しないで、遠くはなれた同士が結びつく、なにやら人間世界でも同じことですよ、といわれているみたいです。