ストレリチア秘話No.495 ストレリチアの姿を整えるには

 前章の続きです。ことは簡単ではありませんが、やれないことではないでしょう。一番の原因は肥料にあります。今までのストレリチア栽培では、肥料についての考えが、ただ、やれば良い、で単純過ぎたように思います。

第一には、施肥は、生育段階によって違ってくるということです。小苗から開花株までの養成期間は肥料は不可欠です。ただし、量は少なめで十分です、多すぎれば傷害が出ます。

 一人前になれば、過肥にも耐えられるようになりますから、限界が分かり難くなるのが困ります。ストレリチアの根は化学肥料には敏感で傷害が、直ぐに表われますが、有機質肥料は運効性ですから、反応が分かり難いのです。大株ともなれば、要求度は下がり、消耗した分を補給する程度で十分なのに、今までの続きでやり続ければ、やり過ぎとなります。ところが、それが傷害して表われず、吸収された分は、必要を越えて、余分な生長に回ってしまとが多いのです。ここから姿の乱れが始まります。つまり、開花株は、もう、肥料を、あまり必要としなくなったのを確認しなければならないのに、うっかり続けて間違いを起こしいと言えましょう。

 第二は株分け後です。繁りすぎ、殖えすぎれば、仕方なく株分けして、改めて仕立て直しを計ることになります。小さく分けられた株は、の姿に戻るには肥料が必要です。それでも、回復するまでで、一人前に戻れば、もう、そんなには必要ではなくなります。それなのに施肥のペースは変わらないのが普通です。これでは、また、今までの繰り返しになってしまいます。

第三は植え込み材料です。私のところでは、レギーネだけは赤玉土と腐葉土を使っていますが、ジャンセア、パーヴィフォリアは主に軽石を使っています。背の高さを抑え、締まった育てかて方をしたいからです。でも、軽石は水も肥料分も保ちが悪いので、効果が極端に表われますから、近頃は肥料に腐葉土や土を混ぜています。これには不足する希少成分の補給の意味もあります。軽石は育ち過ぎを押さえるには効果がありますが扱いに多少の慣れが必要です。

 この他、日照、通風を良くすることも必要ですが、これはストレリチア全般にいえることであって、とりたてて言うことでもないでしょう。簡単に言えば、厳しい環境にさらし、甘えさせないことに尽きるでしょう。自生地のストレリチアほどでなくても。