ストレリチア秘話No.595 ストレリチア 生命力の基は根茎(貯蔵根)にあり?その2

 ストレリチアの葉は光合成を、葉柄は植物体を支え、花は子孫を残す役割と、それぞれが生命体を維持するための仕事を分担しています。それでも、これら地上部の組織は働くだけで、その指令を自分自身で発し、或いは自主的に行動しているようには見えません。

 それなら、ストレリチアを動かす司令塔があるとすれば、地下にある根しか残っていません。もし、そうだとすれば、人類が核戦争に備えて地下壕を準備するのと同じで、安全、この上もありません。寒さ、強風、豪雨などの自然災害には守られて、安心して生き残れます。例え、葉や茎が枯れても,成長点さえ生きていれば、又、新しい組織が作れます。

 この成長点も地表には近いながらも地下で守られています。

 ストレリチアの司令塔に擬せられる地下茎は、地植えの場合は数メートル先まで伸び、地中全体では、どれほどの量になっているのか見えないので見当が付きません。鉢植えでも2年を過ぎると鉢一杯に根が回り、鉢が割られてしまいます。その生長のたくましさは驚く程で、ここまでの必要はないのでは、と思うほどです。

 そうだとすると、植え替え時に多少、根を切られて減ったとしても、全体の機能に大きな影響は与えない、のは納得できます。根は後生大事に扱わなくても良いのです。必要なのは、この生命力を発揮させる手立てを講じることにあるでしょう。

 この根茎は、ただ、水分を貯めているのが役割のすべてではありません。水分を送ると同時に情報を伝えることも出来ますし、実質の根も生やします。つまり、あらゆる点でストレリチアの生命活動の中心になってコントロールしているらしいのです。これが動物とは違ったシステムなので、理解が難しいのが障害になっています。

 とは言っても、ストレリチアは根茎が司令塔である説を、私自身は100%までは納得していません。何となく首を捻っているのです。それには私自身の説があるからなのです。

 私はストレリチアの中心は「成長点」にあるのではないか、いうことです。これは、まだ、検討もしてありませんし、証拠も不十分なので、名乗りを上げておく程度に止めておきます。