前章で近年のストレリチア栽培が技術から遺伝解釈に変ってきていると述べました。これは高度に難しいレベルなので、これからも、詳しく研究しなければならない問題でしょう。
それより、何より、どこまで理解できるかの方が困ったことです。技術の時代はなんだか、よくわからない名人芸が強調されました。つまり、わかったような、わかんないような話で本当にそうなる保証はなかったのです。
ではストレリチアの行動を遺伝子レベルで解釈しようとすれば、もっと難しいことになるでしょう。ストレリチアが進歩するのは困ったことです。何だか、訳の分からないことに首を突っ込まなければならない感じになってくるからです
例えば、こんな場合です。春4月に毎年、ストレリチアの切り花が必要になりましたが、どうしたらよいでしょう。昔だったら技術的方法しか考えられず、殆ど無理との結論になることでしょう。しかし、現在では可能です。4月開花の遺伝を持つ品種をそろえればよいのです。簡単ではなくても可能です。小さな花のストレリチアが好きだったら、その遺伝を持つ品種を探せば良いのです。昔だったら出来なかったことが、遺伝の力を借りれば可能になってしまうのです。何だか、手品か、ストレリチア魔法のような感じがしてくるようです。
この問題は、あまりにも重要なので、これからも、詳しく研究を続けなければならないようです。
