ストレリチア秘話No.227 ストレリチア花弁が変色する謎

 私は以前、「ストレリチアの花 (花弁の青紫色) が、開花後、強い日光を受けると褪色してしまう。花は、まだ健全なはずなのに、不思議な現象だ」と述べたことがありました。私としては、納得出来ないことを、そのまま、放っておくことは残念なので、ここで無理を承知で無鉄砲な仮説を披露することにしました。

 大抵の花は中心部が他の部分と色を変えています。これは、花の中心部には蜜があることを集まってくる虫や鳥に教え、導いているためで、「ネクターガイド」とも呼ばれています。 ストレリチアの花では、青紫色の花弁がそれにあたります。周りの花の部分とはひときわ色を変えて目立たせているのです。

 昆虫は人間と違って紫外線も色として感知しているといわれています。鳥だって、そうかもしれません。だとしたら、虫を誘うネクター ガイドにも、関係していることは確かでしょう。 残念ながら、これは人間には感知できないことがらなのです。ことによると、開花したばかりの新鮮な青紫色よりは、紫外線の影響をうけて、ねぼけた色の方が、鳥にとっては魅力的に見えているのかもしれないのです。

 私たち人間には、鮮やかな青紫色の方が好ましく見えるのですが、鳥には、どう見えるのか、サンバードに聞いてみるしかありません。 だけど、 答えてくれるはずはありませんから、どうにも困ったことです。結局、そういうものだ、思うしかないでしょうか。