ストレリチア秘話No.322 私も悩まされるレギーネとジャンセアのはざま

 この章のテーマは「この株は、いったい、レギーネなんですか?それとも、パーヴィフォリアなんですか?それともジャンセアですか?」との疑問が、よく起きるんです。それに対する回答です。

 ストレリチア無茎種は植物学上ではレギーネとジャンセアに分類されています。これでも、典型的な葉を付けたレギーネと葉が全然、ないジャンセアだけだったら、この分類で何も問題ありません。ところが現実は、そう、簡単に事は片づかないのです。レギーネの幅広い葉の形から無葉のジャンセアまでは連続して、無数とも言える変異の広がりがあるのです。それを人間が勝手に二つに分けても、いったい、中間の小さい葉の、どこで線引きすれば良いのでしょう。人により意見は様々で、どれが正しいと判断する基準は無く、あいまいなこと、この上ないのです。

 そこで私は仕方なく、一旦は消えたパーヴィフォリア、「ラテン語で、パーヴィは小さい、フォリアは葉片という意味です。」の名称を園芸上として復活させて使っています。但し、これは、あくまで便宜上であって、正式な名前ではありません。その上、これだけでは不十分と、サイズを数字で表わしました。これはホームページに掲載されていますので参照して下さい。私個人の見解ですが、一つの基準を示したつもりです。これで少しは楽になりましたが、これだって、まだ不十分です。ミリ単位までの境目までは表示していませんから、そこまでくると不正確になってしまいます。私が命名したパーヴィフォリアとジャンセアの境は微妙なんです。私自身、その日の気分によって違ってしまうほどですから。

自然の広がりを人間の知恵で仕分けしようとするのですから、事は簡単ではありません。多少のあいまいさが残ってしまうのはご勘弁ださい。

ストレリチア科の誕生

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