ストレリチア秘話No.396 季節によるストレリチアの表情の差

 ストレリチアの花は季節によって品質の差が出ます。晩夏から中秋までに咲く花は、力不足で充実さに欠けます。これは気温が高いために活動の進行が早すぎて、養分の補給が十分に行き届かないからです。寒い季節の花は、このバランスがとれて、本来の姿を見せてくれます。シーズン終わりの春の花は、残りの養分で咲かせるために、力がなく、貧弱になってしまいがちです。花展、その他でストレリチア本来の姿を見せなければならない時は、この季節による差を考慮に入れなければなりません。

 花の出る季節の状況も変化に影響します。夏に高温が続いた年は、全体に開花が遅れがらになります。これは、高温が花芽の形成を阻害し、遅らせると考えます。しかし、地球の温暖化の為なのか、ここのところ、数年、夏の高温が続いています。これが一時的な現象なのか、どうかは未だ分かりません。

 個体、それぞれの事情によっても、花芽の出る季節に変化が出ます。若い株ほど早咲きの傾向があり、年々、古くなるに従って遅くなり、終いには品種本来の出方を示すようになります。面白いことに、株分けして同じ事が起きます。これも、やはり若返り現象です。