前の章にて、地植えのストレリチアは掘り上げ後、完全な姿に戻るのに2年掛かると述べました。1年目は回復の期間で、2年目になって本来の葉が育ってきて、シーズンの終わりに完成となるわけです。鉢上げしても同じことが起こります。鉢植えの株を株分けした場合も同様で、地植えの場合より、少し痛みが少ないものの、完全に回復したといえるのは、やはり、2年目です。
花立ちの特別に良い株が花を力いっぱい多く咲かせた場合も次の年は、やはり、休まれてしまうことが多いようです。貯蔵養分を使い果たしてしまい、元通りの状態まで溜め込むには、それだけの年月が必要なのでしょう。特にジャンセアの場合は、澱粉生産工場である葉がなくて葉柄だけの生産に頼るだけですから、もっと掛かり、3年も必要になることもめずらしくありません。矮性種も同じです。特に極矮性種に至っては「咲くまで待とう•••」ですから、気長に待つしかありません。
このように見てくるとストレリチアの生長単位は1年ではなく2年毎とするのが習性に合っているようです。もっとも、実生苗の開花まで5年から10年の長いスパンのものもあることに比べれば「短い」とさえ言えるかもしれません。数ヶ月で勝負の1年草とは心構えを変えてかからなければならないのです。
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