ストレリチア秘話No.671 ストレリチアと施肥

 栽培では多い質問ですが、“秘話”で取り上げるのは珍しいことです。初心者は気にすることが多いのですが、私は、そんなに大事な問題とは考えていません。それはストレリチアにとって肥料が必要なのは、中苗から開花株ぐらいまでで、大株ともなると、そんなに大きな役割は果たしていないからです。

 実は私の栽培場の地植え株には、20年以上も肥料をやっていません。もう、これ以上、大きくなったり、増えたりは必要ないからです。それでもストレリチアには何の変化もありません。必要な養分は長く伸びた根が調達してくるからです。

 春から初夏へかけての最初は、冬の間の気温によって違いがあります。冬、暖かく過ごした場合は根が早く活動していますから、4月に入れば第一回をやってもよいでしょう。

 冬の寒さに遭わせていた場合は根の育ちが遅れていますから5月になってからで十分です。

 2回目は7月頃が良く,8、9月は、もう必要ありません。もう、今までの残りで十分で、段々、ストレリチアものの変化必要としなくなってくるからです。私は開花株の場合、ストレリチア春1回しかやっていません。

 初心者の誤解に肥料の多少が開花に関わりがあると考えることですが、これは過ちで肥料は関係ありません。肥料は株の生育のためで、花はデリケート作られた澱粉によりませす。

 ストレリチアは外見と違って細根、ヒゲ根は細く、デリケートですから肥料分が強いと障害を受けやすくなります。このため、化成肥料は避けた方が無難です。菜種油カスが安全で、リン酸分の骨粉を加えれば完全です。有機質肥料は緩やかに効きますから、多めにやっても大丈夫です。