頑固なパーヴィフォリアオレンジキング★★★★★星
初期の頃の交配種で、今となっては珍しい昔ながらのオレンジ種。現在、私の圃場では、オレンジといえども黄色の遺伝の入ったオレンジプリンスだけで、昔ながらのオレンジ系レギーネは一株も残っていません。それだけに、この品種は貴重なのです。パーヴィフォリアのことですから、花粉親はジャンセアで、「ユイテンハーグ」です。
形質の特徴は「カチカチの頑固さ」です。母株が昔ながらのストレリチアであるのに加えて、父親も原種の「ユイテンハーグ」なのですから、これは当然といえるでしょう。残念なのは10本未満の苗しか育てなかったことです。その中の最高品として選ばれたのですが、他の株も、優れたものが多かったので、成功した交配であったのに、もっと多くの苗を作っておくべきだったと悔やんでも間に合いません。黄色種全盛の時代でしたので、価格も割安で2,3人のお客さんに嫁入りしただけで、今となっては、僅かな残りは貴重品となってしまいました。なにしろ、毎年、きちんと花を出す分、なかなか、殖えてくれないのです。
最大の特徴は花の美しさです。開花した花は当然ですが、何より、花芽の伸長時期の先端部分の鮮やかな濃い紅色です。他のどんな品種よりも紅いのです。これが長い間、楽しめるのです。開花するころには細胞分裂が盛んになって少し薄くなりますが、これは、どんな花でも起きることですから仕方ありません。
ストレリチア価格についていうなら、初めのころは安かったのに、真価が判明すると値上がりする品種が少なくありません。買い物は目利きが勝負です。今は高くても、安く買えた時期があったかもしれません。大事なのは、お金の有る、無しよりも、ものを言うのは判断の確かさです。

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