ストレリチア秘話No.706 ストレリチア愛好家として生き残れるのは優れたストレリチアに出会えた人だけです。

これは極端な表現ですから納得できない人も居るかも知れません。

 普通の植物は花が咲くのは当たり前のことなのに、ストレリチアは、そうではないようなのです。すべて遺伝で決まっているようですから、運悪く、そのような個体を手に入れてしまったら、もう、手立てがないのです。ストレリチアは、どんなに手を尽くそうとも応じてくれません。早く、これに気づいて優秀花を探し当てた人は、無事に災難から逃れることが出来るでしょう。それ以外に方法がなさそうです。

 ストレリチアの自生地は雨が少なく、厳しい環境です。こんな所で生きてゆくには、養分の消耗が激しい花を多く咲かせるわけにはいきません。花を咲かせて子孫を残すよりは、先ず、自分が長生きする道を選んだとしても不思議ではないでしょう。それでも遺伝のことですから、個体差もあり、中には、花を多く咲かせるのも出ます。分散もするのです。このような原種を人類は掘り上げて栽培してきたのです。人工栽培では、水も肥料も十分にやれます。

 だから花を出せと言っても、そこは遺伝で決まっていることですから、直すことはできません。事は遺伝を変えるしかなさそうです。

 こんな事情で花立ちの悪い系統も多く残ってしまったのです。これが、どうやら今も私たちに困った影響を与えているようです。このことはストレリチアに責任があるわけではありません。ストレリチアはストレリチアらしく生きて来ただけです。

 そこで私たちの成すべき事は、人が扱いやすいように改良してゆけば良いのです。しかも、ストレリチアは、それに十分こたえてくれるのですから。