カラカラに乾いた大気の自生地で生まれ育ったストレリチアでも、時にはシャワーを浴びせてもらえば喜びます。しかし、ムッとするような、暑くて、湿った空気でなければ、機嫌の悪い熱帯植物の要求とは、少し意味が違います。ストレリチアは、湿度が90%もあるような湿り気は望んでいないのです。この点を取り違えないよう、誤解を避けなければなりません。
ストレリチアだって長い間には、ホコリやゴミも付けば、 ハダニのような害虫までもやって きます。 露地なら雨で洗い流されてしまいますが、 ハウスや冬の室内は、 彼らにとってはまさに天国です。 だから、 時には雨の代わりのシャワーを浴びせてやらなくてはなりません。雨は、人工の灌水の不足を補うだけでなく、余分なものを洗い流す作用も受け持っています。
ただし、長雨が続くと、葉や茎に障害が出ることもありますが、モンスーン地帯では仕方ないことで、また、大した被害でもないので気にするほどではありません。 自生地の雨は、一息にザーッと降って、後はカラリと晴れてしまいますから、ストレリチアは長雨に会うことなど想定していないのです。
このようなことからストレリチア栽培では、夏は直射日光にさらし、雨に当てることが最適といえるでしょう。 夏の夕方、ホースの水を浴びて、 せいせいした姿のストレリチアを眺めるのは最高の気分です。