ストレリチア栽培で判明がはっきりしないのは、ベテランと初心者と、扱い方に、どこが違うのか、ハッキリとは分らない点にあります。
例を挙げれば育ち方です。ストレリチアは一日当たり、測定しなければ分らないほどしか育ちません。夏の成長期ですら4~5mmですから、育っているのか、いないのか、はっきりわからないほどなのではないでしょうか。それが残念です。従って、それを気にしようがしまいが変わりは無いとされても不思議はありません。
思いを寄せてくれているかどうかを、植物は気にしている、とのオカルト風の考え方もありますが、未だ、一般には認められていません。急激に襲ってくる自然災害には、普段から配慮を惜しまないベテランでなければ対応出来ませんが、何も起こらない普段では違いは無いでしょう。だから、ほうっておけば良いと私は思いません。ベテランと初心者に違いが出るからには、何かが存在しているのではないでしょうか。ストレリチアに対する思いやりの深さが表われるのは当然だろうと思うのです。私は大勢のお客さんを相手にしていますが、儲けようとの意欲の人が多いのです。ストレリチアを単なる草としか扱ってっていないのです。この違いが大きいのに驚かされています。ストレリチアだって、かけてもらえる愛情次第で反応が違って当然なのではないでしょうか。残念なのは、未だ、それが測定出来ないからなのです。
「秘話」の読者は、早くからお気づきでしょうが、著者は意外と技術優先にとどまっていません。最先端になると、今までの技術だけではどうにもならないことが起きてくるからなのです。
意外な事実をお伝えしますと、最高、とも評価すべき優秀品種は、大抵が落ち着くべき場所に収まっています。時には、何らかの手違いが起きることもあるでしょうが。大抵は、譲り渡す側の意志が大きく働いています。ストレリチア自身ではないでしょう。最優秀品種は誰でもが手にすることは出来ないのです。これは大変なことです。愛好家は、自分を磨かない限り、チャンスは巡ってこないのですから。
TVの「お宝拝見番組」で、美術品が本物と認定された後、評価者が必ず言います。「これからも大切になさって下さい」と。決して、「高い値段で売れますよ」などの言葉は聞いたことがありません。優れた品はあるべき所で愛されるのが最高の価値だからです。私も、ストレリチアだって、高く売れれば良い、などとは思っていません。
