ストレリチア秘話No.293 ストレリチアの栽培と微気象 その1

 2023年1月、10年に一度の寒さ、とかで、我が家の露地植えストレリチアの葉が凍害を受けました。毎度のことなので驚きはしません。半年後の夏がくるまで、少々、見栄えが悪くて困るだけです、それなのに、よく散歩で通る一角に植えられているレギーネは、今年もビクともしていません。我が家とは数百メートルしか離れていないのにです。ここのストレリチアは、いままで凍害を受けた姿を見たことはありません。

 ひるがえって我が家のことです。露地のストレリチアは被害を受けても、住居の軒下に置かれている鉢植えは何ともありません。平屋より二階建てのほうが影響が強く、3メートルぐらいまでは効果があるようです。近くに植木があれば尚更です。被害を受けたのは10メートルもはなれた所でした。私の経験は、この程度でしたが、10メートル以上もの高さのビルでしたら、もっと効果は大きいに違いありません。北へ20kmの鋸南町道の駅保田小学校にもストレリチアが元気に育っています。私の地域よりは、もう少し寒いはずなのに、と思い、調べてみました。北側に二階建ての校含を背負って南へ数メートルの位置に植えられていました。今まで凍害を受けた形跡はありません。それでも、10メートルも離れた旧運動場では、もう保たないでしょう。

 凍ったストレリチアと元気なストレリチアとの間、わずか10メートルしか離れていません。気温の差は、ほんの僅かしか無いはずです。同じ地域の中でも冷たい空気の流れの有無があります。ここにストレリチアが生きるか、死ぬか、の境界があるのです。大きな気象は気象庁が計測してくれます。しかし、こんな小さい気象は自分で確かめるしか無いのです。その上で対策を練れば良いでしょう。

 ストレリチアの鉢植え栽培では勿論ですが、庭へ地植えしようとする場合は重大問題です。何しろ、固定した微気象の中で動かせないのですから。おすすめするのは、先ず、テストをすることです。捨てたいような悪い性能の株があれば、うってつけです。いい働き場所になるでしょう。いくらなんでも高級品を使うわけにはいきません。