ストレリチア秘話No.728 ストレリチア ジャンセアの本来の遺伝を残す大切さ

 植え替えの調子が出たついでに今まで粗末に扱ってきたジャンセアも植え替えることにしました。

1000本の苗を養成した一部です。約100本は選抜優良種として残しましたが、残りの大部分は気に入らないので捨ててしまいましたが、それでも、僅かに残したのが数十本ありました。育種家の栽培場では、ストレリチアストレリチアといえども厳しい処遇を受けます。気に入らないのは、皆、捨てられてしまうのです。

 株ばかり殖えて花立ちの悪いものは、真っ先に捨てられます。次は花の質の選抜です。このジャンセアの交配は、最悪の結果でした。優れた親株がなかったからです。それでも、ここの所、考え直しました。ジャンセア原種の遺伝を残しているのは貴重だからです。今でもジャンセアの交配は続けていますが、目的が変ってきているのです。花の質は多少、落ちても、本来のジャンセアの遺伝を受け継いでいるのは貴重なのです。近頃は、もう、交配していませんから、今あるものを大切に保存しなければならないのです。そこで、仕方なく植え替えを始めたということなのです。

 原種のオレンジ ジャンセアはクチクラ層がしっかりして硬く、丈夫な体ですが、黄色種の遺伝が入ると、やや、柔らかくなった感じがします。この本来のジャンセアの姿は残さなければと思うのです。